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[知性の探求] 第8回 体内時計
2006年02月15日(水) 07:18
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第8回 体内時計

© 学問分野別インフォメーション

体内時計というものは誰もが知っているでしょう。私達は腕時計等の機械式時計を普段利用していますし、例え時計がない環境にいても太陽の高さからある程度時刻を予測する事が出来るので普段あまり意識する事はありませんが、体内時計は常に私達の行動をスケジューリングしています。
クライトマンは次のような実験を行い、人間に内因性の時計が存在する事をしめしました。
ケンタッキー州のマンモスケーヴという大鍾乳洞に入り、地下400mで1ヵ月以上生活して自分達の順応状態を調べた。
クライトマンは一日の中で体温が規則的な変動をすること、作業能率のピークは体温が高くなるときであること等を発見した。

・参考書籍
ラッセル・フォスター+レオン・クライツマン『生物時計はなぜリズムを刻むのか』日経BP社

このような時刻を知る情報が一切ない時に、生物に現れるリズムを概日リズム(サーカディアンリズム)といいます。
人間の概日リズムは約24時間11分です。広く知られている25時間というのは誤りです。
人間に見られる概日リズムに基づく現象には例えば次のようなものがあります。
  • 体温は4~6時が最も低く、16~20時が最も高い。
  • 0~2時に眠気が最大になり、4~6時に最も睡眠が深くなる。18~20時は眠気が最小になる。
  • 集中力・理論的推論能力は4~6時が最小になり、10~14時が最大になる。
  • 6~8時が受胎する可能性が最大になり、4~6時が心臓発作や脳卒中で死ぬ可能性が最大になる
概日リズムの他には概年リズムなどもあります。これは 1年単位のリズムですが、これには例えば次のような現象があります。
羊は草の多い時期に乳離れできるように春に仔羊を産む。
他にも渡り鳥の渡りやある種の鳥の卵が特定の数日間にかえる事などがあります。

さて、例えば今の羊の例ですが餌となる草が多くなってからあわてて交尾をしても子供が産まれるのは何ヵ月も先です。乳離れをするのはさらに先です。その頃には草は枯れ気温も下がって仔羊は長く生きられないでしょう。つまり、羊は草の生えるずっと前から繁殖の準備を進めなければなりません。
1年の中の特定の期間を認識するために利用できる外的情報として、太陽の出ている時間の長さ(日長)があります。これは気温などと違って毎年規則的に全く同じ変化をします。概年リズムを持つ多くの動物はこの日長を利用していると考えられます。(シマリス等は恒常条件におかれても冬眠時期等をしることができます。日長以外にも内部に日数をカウントする仕組みがあるのかもしれません。)
さて、このリズムですが羊が「今日の日の長さは~時間~分だったからそろそろ子供を作ろう」などと思考しているのではあまりに気持ち悪いですよね。この日長の長さの知識が生後に得られる訳でもありません。つまり、このリズムに関するプログラムは遺伝子にハードコーディングされている訳です。
多くの生物が24時間・1年に近い周期を持ちますが、このプログラムは長い進化の歴史の中で自然淘汰圧によって、出来上がったものだと考えられています。自然の周期に近いリズムを持つ個体の方が生存に有利で、その遺伝子が受け継がれたという事ですね。

ところで、冒頭で人間の概日リズムの周期は約24時間11分であると言いました。という事は65日くらいで体内時計が実際の時間と12時間ずれて昼夜が逆転してしまいます。実際、鍾乳洞の中などに閉じ籠っていればこのようなことが起きます。しかし、私達にはこのようなことが起こっていません。これは、体内時計が外部の時間と同調する仕組みを持っているからです。
人間の場合は光があげられます。人間の網膜のもう1層したに視覚処理に使われるものとちょっと違う光受容体があります。うさぎなどはこの光受容体が頭皮の下にもあり、昆虫は足にあったりします。(人間はひざの裏側にもあるという考えがあります。)
脳の視床下部に視交叉上核(SCN)という体内時計の中心的な部分がありますが、この部分に光受容体の刺激が伝わり時刻の同調が起こります。

この光のような体内時計の同調に使われる刺激をツァイトゲーバーと言いますが、他にも五感の刺激・生理現象など様々なものがツァイトゲーバーとして働きます。体内時計はSCNというマスタークロックを中心として、体に隅々に存在するサブクロック、そして時刻合わせ用のネジが大量に存在し、それらが互いに連係をとりながら動作するものすごく巨大で複雑な時計なのです。
実はSCNなどの細胞の一つ一つが概日リズムを示します。参考書籍にその仕組みが細かく書かれていましたが、何と1つの細胞内でリズムの発生も光による同調も説明出来てしまうのです。小さな細胞の中にこんなダイナミックなシステムが存在しているなんて感動的ですね。

長くなってしまいましたが、とりあえずこれで終わりたいと思います。今回は知性の探求とは直接関係ありませんが、体内時計によって食欲・睡眠欲などがスケジューリングされていることを考えるととても無視できない気がしますね。

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・書籍
ラッセル・フォスター+レオン・クライツマン『生物時計はなぜリズムを刻むのか』日経BP社
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