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[愛すべきAI/Robot達] 第6回 AIBO
2006年02月02日(木) 07:21
トップ >> 愛すべきAI/Robot達 >> 第6回
第6回 『AIBO』

ソニーが犬型娯楽ロボットAIBOの生産を中止するそうです。同時にQRIOの新規開発も中止し、ロボット事業を縮小するということですが、娯楽ロボット開発の中心的存在であったソニーが撤退するということは非常に残念に感じます。
現在のロボット開発はその有用性が重視されてきています。しかし、娯楽ロボットの研究は純粋に人間らしさ・生き物らしさを追求することが出来る為、ソニーの撤退によってそうした研究が多少なりとも後退してしまうのではないかと心配しています。

・参考サイト
AIBO Official Site

「AIBO」という名前には「AI(人工知能) Robot」「Eye(視覚を持つ) Robot」「相棒」などの意味がこめられています。最後の相棒などは開発者のAIBOに対する思想がよく表れているような気がします。もう1つ、開発者の思想が良く分かるものを引用します。AIBO版 ロボット工学三原則というものです。
「ロボット工学三原則・AIBO版」
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。自分に危害を加えようとしている人間から逃げることは許されるが、反撃してはいけない。
第二条:ロボットは原則として人間に対して注意と愛情を向けるが、ときに反抗的な態度を取ることも許される。
第三条:ロボットは原則として人間の愚痴を辛抱強く聞くが、ときには憎まれ口を利くことも許される。
原則というより願望ですね(笑)人型ロボットに対して同様の原則を適用するといらぬ誤解を招く可能性があるので注意しましょう。
この原則からも、やはり開発者がAIBOをただのおもちゃではなく相棒・パートナーとしてとらえていることが良く分かりますね。

・参考リンク
(本家)ロボット工学三原則

今回はこのAIBOで使われているテクノロジーを紹介したいと思います。ただのおもちゃだと思ってはいけません。実は凄いんです。
最新型AIBOであるERS-7の最も注目すべき機能はビジュアルパターン認識でしょう。ERS-7はAIBOカードという複雑な模様の描かれたカードを見てパターンを読み取り、行動を選択することができます。他にも、ステーションポールの模様から位置関係を把握したり、新しい画像を記憶することも可能になります。
AIBOは、この画像認識技術によってバッテリーが少なくなったらエナジーステーションの位置を見て移動し、自動で充電を行います。
ロボットの移動は普通、センサーなど視覚以外の手段を使うことが多いので(wakamaruでは三点測量をしていましたね。)、これはなかなか凄いことなのです。
他にもボールや骨のおもちゃの形状を認識して、様々な技を披露してくれます。(ボールや骨の認識にはカラーカメラなども利用しています。)
既存の画像認識技術では画像を丸ごと記憶したり処理をするものが多いのですが、このビジュアルパターン認識は画像の中の角や文字などの特徴的な点を抜き出し、それらの位置関係を元に解析を行います。Change Blindnessの回に述べたように、人間の視覚処理では1つの画像をスキャナのように読み取るのではなくて、特定の数箇所のみに注意が向けられます。つまり、ビジュアルパターン認識は人間の視覚処理によく似た方法をとっているということができます。

・参考サイト
Evolution robotics.

次に取り上げたい点は、学習・成長の実現方法についてです。
AIBOでは
「愛情欲」「好奇心」「運動欲」「食欲(充電欲)」「睡眠欲」という本能
「喜び」「悲しみ」「怒り」「驚き」「恐怖」「嫌悪」などの感情
が組み込まれています。AIBOが自律的に行動を行う仕組みは簡単に紹介すると、
  1. 遊びたい・運動をしたいなどの欲求が大きくなる。(ここはあらかじめスケジューリング等がされているのでしょう。)
  2. 行動を起こし、その結果によって喜び・嫌悪などの感情が生じる。ここで生じた感情が他の行動にも影響を及ぼす。
  3. 行動の結果とそれにともなって生じた感情に応じて、学習が行われる。
という流れになっています。この学習のシナリオは強化学習オペランド条件付け学習に相当するものですね。
強化学習とは現在の状態を把握しながら、得られる報酬が最も多くなるように試行錯誤しながら状態を変化させていく学習方法です。
オペランド条件付け学習とは行動を起こしたことにより報酬が得られた場合にはその行動が起こりやすくなり、逆に負の報酬が得られた場合にはその行動が抑制されるというものです。餌付けによって動物に芸を仕込むのもオペランド条件付け学習です。
AIBOでは本能により起こる能動的行動と感情という報酬を用意することでこのような学習を実現しているわけです。強化学習は様々なロボットに利用されていますが、オペランド条件付け学習は他のロボットにはなかなか見られないAIBO独特の特徴ですね。

最後にOPEN-Rというものを紹介します。これは、AIBOの開発の中でソニーが提唱したエンターティメントロボットのアーキテクチャです。QRIOもOPEN-Rを採用しています。
OPEN-Rは手や足、目や耳などのハードウェアの規格や視覚処理・聴覚処理・運動機能などのソフトウェアの規格等を定めています。様々な機能をある程度独立したモジュールとして設計することで、それぞれの完成度を高め開発効率を上げることができます。また、人間型であろうが犬型であろうがおなじモジュールを利用して開発することができるわけです。
異なる種類(メーカー)のロボットが強調動作をする場合などに、統一規格は必要不可欠です。OPEN-Rの設計が的確かどうかは別として、このような統一規格の基礎を作り上げたことは偉大な功績ですね。

・参考サイト
[AIBO SDE] official web site

生産が終わってしまうことは残念ですが、ぜひソニーにはAIBOの研究から得られた成果をもとにしてより素晴らしい研究をしてもらいたいと思います。

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・参考サイト
AIBO Official Site
Evolution robotics.
[AIBO SDE] official web site

・参考リンク
ロボット工学三原則(Wikipedia)
強化学習(Wikipedia)
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