スポンサーサイト
--年--月--日(--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | ↑top
[AI開発ノート] 神経回路網のモデル化
2006年01月25日(水) 06:13
トップ >> AI開発ノート >> 神経回路網のモデル化
神経回路網のモデル化

私が考えた神経回路のモデルの紹介をする前に、既存のニューラルネットワークに魅力を感じない理由を話します。*1
ニューラルネットワークについては以下のリンクが参考になると思います。

・参考リンク
ニューラルネットワーク入門

ニューラルネットワークとは人間の神経回路網のモデルの一つです。このモデルでは一つ一つのニューロンは他のニューロンからの入力の積和を求め、次のニューロンに伝える装置と考えられています。ニューラルネットワークはこのニューロンを互いに接続し、ニューロンの興奮状態(発火状態)を次々と伝播させていくものです。初期のニューラルネットワークは学習機能を持たなかったのですが、バックプロパゲーション(教師付学習)などの方法が提案されてから、求める出力が得られるように接続の重みを更新し、学習を行うことが出来るようになりました。
現在ではニューラルネットワークは文字認識、画像解析などばらつきのある入力を処理する用途や、あらかじめ動作をプログラムすることが難しい問題において、学習によって動作を獲得するシステムなどに広く利用されています。
しかし、このニューラルネットワークですが創発を生み出す神経回路のモデルとしては少し問題点があります。
まず階層型ニューラルネットワークですが、これは簡単に言えばパチンコ台のようなものです(実際はもっと複雑です(^^;)。「上から玉を落として、落としたいとこに落ちなかったらピンを調整する。これを繰り返せば、落としたいところに玉が落ちるようになる。」ということと本質的には変わりません。細かくは以下の点が問題です。
「階層型ニューラルネットワークの問題点」
  • 出力層・中間層・入力層がはっきりと分かれていてデータの流れが一方通行
  • ネットワークの修正は動的に行われない
  • 完成したネットワークでは入力が同じであれば、出力も必ず同じ
こうした、問題点を克服する物に非階層型ニューラルネットワーク再帰型ニューラルネットワークがあります。非階層型ニューラルネットワークは全てのニューロンが互いに接続しており、出力データは問題に応じて定義されたエネルギー関数が極小値をとる状態として求められます。再帰型ニューラルネットワークは階層型ニューラルネットワークの出力の一部を入力部分につなげるものです。これにより、再帰型ニューラルネットワークは計算結果を再び利用して毎回異なる動的な出力が得られます。ルーシーはこの再帰型ニューラルネットワークを利用しています。

さて、この3種のニューラルネットワークですが、創発を起こす事が不可能であるということはないと思います。しかし、神経回路のモデルとしてはかなり問題があるように思います。
まず、以下の論文から神経回路網のモデルに求められる条件を引用します。

・参考文献
認知の創発的性質 鈴木宏昭

生成性
表象は断片的なものであり,それらが利用時の 状況の特性に応じて動的に構成される.
冗長性,重奏性
一つの知的行為を行うにもいくつもの 処理経路が存在し,それらは同時に重奏的に作用する.
局所相互作用
処理は中央を介さずにローカルなシステ ム間でなされることもあるし,また状況の特性との 関連で,活性化した複数の表象が局所的に相互作用 しあう中で進む.
開放性
知的行為は外部の存在,およびそれとのinterplay を前提としたものである.
これらの条件には強く納得させられます。さて、ニューラルネットワークがこれらの条件を満たすかを考えてみると、どのタイプのものもこれら条件を満たさないことが分かります。
決定的な点は、ニューラルネットワークはバックプロパゲーションやエネルギー関数などによってネットワークの状態・出力結果を決定するということです。私はネットワークの状態は個々のニューロンの相互作用によって決定されるという考えに強く共感します。よって、そもそもネットワーク全体の状態を中心として考えるニューラルネットワークは神経回路網のモデルに適していないと思うのです。
再帰型ニューラルネットワークは、学習ルールを個々のニューロンに持たせる事によって上記のルールを満たす事ができるように思いますが、フィードバックループを接続する位置などはあらかじめ決めなければいけませんから、回路の配線を動的に変更することは不可能です。

そこで、上記のルールを満たすモデルをいろいろと考えた結果オートマトンを利用することがひらめきました。普通のコンピュータもオートマトンの一種なのですが、私がイメージしているのはセルオートマトンのようなものです。

・参考リンク
セル・オートマトン(Wikipedia)
Artificial Life and Other Experiments

上のリンクのライフゲームと呼ばれるものを見れば、個々のセルが相互作用しあって非常に複雑な様相をつくり出しているのがわかりますね。しかし注意してほしいのは、全てのセルのルールは等しく、またこの様相は初期の配置だけで決まることです。そこに構造は存在しないのです。
私は、ニューロンを模倣するオートマトンを作る事によってシステムを構築したいと考えています。 ニューロンの持つ興奮性シナプス後電位・抑制性シナプス後電位・不応期等の性質をもつオートマトンを作り、ネットワークの状態の更新も個々のオートマトンにルールとして組み込むことで、そこに構造がうまれ、何らかの創発が見られるかもしれません。この一つ一つのオートマトンに学習規則を持たせるという点が重要です。ネットワークの配線を動的に変更できるようなオートマトンを作ることも可能です。

全くどのようになるかは予想出来ませんが、少なくとも選択反応性を実現出来ると確信しています。そして、私はこの選択反応性が人工知能を実現する上での鍵だと考えています。
ルールをどうするか、何次元にするか等はいろいろ実験を行ってみたいと思います。

このオートマトンで神経回路網を模倣するというアイデアはすでにあるかも知れません。もしかしたら研究しつくされているのか、研究する価値もないものなのかも知れませんが、ネットで検索したところそれらしい文献が見られなかったので(Cellular Neural Networkや学習オートマトンというものはありましたが、中身は違いました。)とりあえず、ニューラルオートマトンと呼びたいと思います。

このブログの内容がためになりましたらランキングへの投票をいただけるとうれしいです。 →ランキングへ投票
・参考文献
認知の創発的性質 鈴木宏昭

・参考サイト
ニューラルネットワーク入門
セル・オートマトン(Wikipedia)
Artificial Life and Other Experiments

・書籍
平野廣美『Cでつくるニューラルネットワーク』パーソナルメディア
*1:あくまで、創発を起こす神経回路のモデルとして考えた場合の事です。既存の研究を批判するものではありません(--;
スポンサーサイト
別窓 | AI開発ノート | コメント:5 | トラックバック:0 | ↑top
<<[愛すべきAI/Robot達] 第5回 ルーシー | AI開発ノート | [AI開発ノート] 方針変更>>
この記事へのコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014年11月18日(火) 02:50 | | #[ 内容変更]

ジュエリー・アクセサリー(女性用) http://terra.archiunite.net/
2008年12月01日(月) 13:55 | URL | #-[ 内容変更]

人材派遣会社は口コミランキング  http://www.jobcolle.jp/ 人材派遣会社を紹介しています。
2008年11月29日(土) 06:40 | URL | 三田和博 #-[ 内容変更]

旅行・留学・アウトドアを探すなら http://www.mnpainctr.com/200162/101242/
2008年11月11日(火) 23:43 | URL | #-[ 内容変更]

ビジネス・キャリア制度とは、営業、経理、人事などホワイトカラーのビジネスパーソンを対象に、職種ごとの専門知識・技術向上を支援し、習得した知識・技術を認定する制度 http://gack.wglorenzetti.com/
2008年08月29日(金) 05:23 | URL | #-[ 内容変更]

↑top | under↓
コメントの投稿














管理者だけに閲覧

この記事のトラックバック
トラックバックURL

list FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
↑top | under↓
| AI開発ノート |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。