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[愛すべきAI/Robot達] 第5回 ルーシー
2006年01月26日(木) 02:08
トップ >> 愛すべきAI/Robot達 >> 第5回
第5回 『ルーシー』


現在、イギリス国内で21世紀に活躍するであろう最も知的な研究者18人の1人に選ばれているスティーブ・グランド氏が開発を進めているロボットで最も人工生命に近いと言われています。顔が非常に気持ち悪いですが、これは人間ではなくオランウータンに似せたからだそうです。ちなみにルーシーという名は、人の祖先と言われているアウストラロピテクスの女性の名前です。
この命名からも分かるようにスティーブ氏は人間の知性の様々な側面を研究しているのではなく、知性が発生するより基本的な原理を研究しています。

・参考サイト
Cyberlife-research
ルーシーを始め、様々な人工生命の研究が行われています。

今回は書籍、『アンドロイドの脳』を読み終りましたので、このルーシーについての紹介をしてそのアイデアについて考察をしてみたいと思います。
第1部はスティーブ氏の人工生命に対する構想が書かれています。一見あたりまえのようで、凄く考えさせられる内容です。以下に筆者の思想がよく表された文を引用します。
  • 人工知能において機能主義に頼ることの問題点は、脳を顧みないために、私たちの霊感から何も得られないことである。
  • 知能を使う課業をこなせる機械を作ることは、知能のある機械をつくることとは同じではないのだ。
  • 抽象化はつねに何かを失うもので、抽象化から実際に機能するシステムを構築することはできないのだ。
『アンドロイドの脳』p34,p37,p38
機能主義とは人間の知能を心・意識・認知・記憶などのさまざまな機能に分割して考えることですが、これはチューリングテストで言われているような、外から見て人間と区別できなければ知能があるとみなして良いという考えに強く影響を受けています。しかし、そうした考えが脳は対する探求を疎かにし、いかにすれば機械が知能を持っているように見えるか?という表面的な研究ばかりへと人々を突き進めました。
スティーブ氏はこうした人工知能研究の流れに疑問を抱き、知能を持っているように見える機械ではなく、本物の知能を作ろうとしているのです。つまりは、神経細胞や感覚器、そしてそれらをつなぐネットワーク等を人工的に作る事によって生命を作ろうとしているのです。ルーシーはこのスティーブ氏の思想を具現化するためのロボットです。

AI開発ノートで書いたように、以上の考えに私は非常に共感します。私もニューロンの働きをシミュレートすることによって知能の発生を探求したいと思っています。
スティーブ氏は、フィードバックループをもった再帰型ニューラルネットワークを利用しています。ここが私のアイデアと決定的に違うところなのですが、非常に参考になる内容でした。

第2部ではルーシーのについてが書かれています。資金が本当に少ない状態でプロジェクトを進めているのですね。何か素直に応援したくなりました。
第5章の、外部からの刺激を知覚するためにサーボモーターと腕の間にバネによって遊びを持たせるという部分、第8章の、カクテルパーティ効果という聴覚の働きを上オリーブ核という脳の一部分の働きに注目してモデル化している部分などはなるほどなぁと感心しました。
第6章のPICを使ってアナログデータとデジタルデータの相互変換を行うという部分も、私にとって全く未知の領域なので純粋に発見でした。
第7章は視覚について書かれていますが、ここはちょっと違和感ありでした。視界の端を人間にあわせてぼやけさせたり、ゆがめたりするというアイデアはあまり本質的でないように思いました。また、視界に入る一つ画像がニューロンの働きによってエッジや色彩などの情報に分解されていくというモデルにも疑問があります。これについては、AI開発ノートで書きたいと思います。

第3部ではルーシーのについてのアイデアが書かれています。ここには、まだルーシーに組み込まれていないアイデアがたくさん書かれていますが、特に興味深かったのは第11章のサーボループを想像力のモデルとして考えている部分です。サーボループとは、本書ではグライダーを飛ばす際の制御を例にあげていましたが、端的に言うと目標状態と現在の状態の差を出来るだけ小さくするように状態を変化させる仕組みです。スティーブ氏のアイデアは、空腹などの生理的な状態が脳内に目標状態をつくり出し、現在の状態をそれに近づける方向に更新するという事が、想像力を生み出すのではないかということです。
他にも、錯視などのさまざまな現象のモデルのアイデアが提案されています。どれも非常に興味深いものでした。

最後に、この本の感想ですが人工知能の本というより神経科学の本という感じが非常に強いです。それほど、スティーブ氏の人間の脳に対する造詣が深いのです。そして、脳の構造を細かく分析した上で作られているルーシーのアイデアは非常に説得力のあるものでした。最も人工生命に近いと言われるのも納得です。
自分の勉強が足りないということを思い知りました。まずは神経科学についてしっかり勉強しなくては。

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・参考サイト
Cyberlife-research

・参考リンク
チューリングテスト(Wikipedia)
ニューラルネットワーク入門
カクテルパーティ効果(Wikipedia)
PIC(電子工作の実験室)

・書籍
Steve Grand『アンドロイドの脳』アスペクト
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